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2024年3月期業績

藤倉コンポジット、産業用資材は減収大幅増益、引布加工品は減収営業損失

決算 2024-05-13

 藤倉コンポジットの2024年3月期業績は、売上高が377億8,500万円で前期比7.1%減、営業利益が36億2,400万円で同18.2%減、経常利益が38億9,800万円で同24.2%減、純利益が32億5,200万円で同17.6%減だった。

 セグメント別にみると、産業用資材は売上高が217億7,600万円で同2.9%減、営業利益が2億5,800万円で同148.1%増。工業用品部門は、自動車関連部品の受注回復の兆しが見えたものの、国内は住宅設備関連の流通在庫過多が解消せずに営業損失となったが、中国、米国における受注回復と価格転嫁、固定費削減が進んだことにより増益となった。制御機器部門は、海外向け半導体市場は堅調に推移したが、国内向け半導体市場および液晶市場の減産が続き、医療市場はコロナ禍で増産した医療機器の流通在庫過多の影響が継続したことで減収減益となった。

 引布加工品は売上高が49億4,900万円で同0.9%減、営業損失が4,300万円(前期は4,500万円の利益)。引布部門は、自動車メーカーの生産調整による影響があったが、電気・電子分野向けの部材や一般ゴム引布の建材用製品などが好調に推移。また、原材料費やエネルギー費などの価格転嫁が進んだことにより、増収増益となった。印刷材料部門は、事業撤退に伴い販売終了となり減収減益。加工品部門は、海外向け舶用品や防衛関連製品が堅調に推移したが、国内向け舶用品は低調に推移したことや販売費の増加により、増収減益となった。

 スポーツ用品は売上高が107億1,400万円で同17.0%減、営業利益が39億8,900万円で同16.6%減。ゴルフ用カーボンシャフト部門は、ゴルフクラブ市場における世界的な流通在庫過多の影響が継続し、クラブメーカー向けの販売が減少したことで減収減益となったが、主力モデルがアフターマーケット市場で好調を継続し、高い利益率を維持した。アウトドア用品部門は、記録的な暖冬の影響でバックカントリースキーなどの冬物商品の動き出しが遅れたことで減収となったが、ハイキング・トレッキング市場で登山靴の主力モデルが堅調だったことに加え、春夏アイテムを予定通り販売開始したことで増益となった。

 その他は売上高が3億4,500万円で同3.6%減、営業利益が4,000万円で同28.7%減。運送部門は、自動車関連および住宅設備関連の荷動きの低迷、原油価格の継続的な高騰による燃料費の高止まりにより減収減益となった。

 2025年3月期業績は、売上高392億円で前期比3.7%増、営業利益39億円で同7.6%増、経常利益43億円で同10.3%増、純利益32億円で同1.6%減を見込んでいる。

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