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電線の配線工程でワンタッチ取り付けが可能

IDEC、プッシュインを拡販へ

その他 2019-04-24

 制御機器で非常停止用スイッチやスイッチ表示灯など多くのトップシェアを持つIDEC(本社・大阪市淀川区、舩木俊之会長兼社長)が、電線の配線工程においてワンタッチでの取り付けが可能で省工数・省スペース・耐振動を実現するプッシュイン接続方式を搭載した各種製品の販売を7月から積極的に展開していく。同社はプッシュイン化を促進していくため3月1日、工業用端子台で世界トップシェアを誇り、世界トップのプッシュインメーカーであるドイツのワイドミュラー社と戦略的なパートナーシップ契約を締結した。

 近年、産業現場における労働人口や熟練工の減少、装置の小形化・高機能化やグローバル化の進展などから、小形化・省スペース、配線工数削減、保守効率化を実現する製品が求められている。ファクトリー・オートメーション(FA)分野中心の現場においては、機械や生産ラインを制御・操作するための各種電気機器を収めた制御盤が使用されており、制御盤に使用される産業用操作スイッチや端子台、プログラマブルコントローラは、日本においては、ネジを使った配線方式が主流だが、増し締めなど多くの手間と時間を要しているのが実情。さらに安全面においても感電などを引き起こす可能性があるなど課題があり、今後プッシュイン接続方式の需要が伸びると考えられている。

 プッシュイン接続方式は欧州を中心に普及が進んでいる方式で、工具を使用せず、指先で差し込むだけで簡単に配線でき、ネジ式に比べ工数の削減が図れ効率的に作業を行うことが出来る。

 また、振動による緩みもないため耐振動性にも優れており、製品配送や長期使用による増し締めが不要となることから、IDECでは「現場の多様化や熟練工の減少に伴い、今後さまざまな制御機器への普及が加速していく」と考えている。

 これらの背景から、IDECではプッシュイン接続方式を採用した製品ラインアップをグローバルに拡充することで、生産現場の利便性・安全性の向上や制御装置の合理化など提案していく方針。すでに自動車分野をはじめ工作機器、半導体製造装置、パネルビルダーなどの分野では普及が進んできており、「日本市場では2018年時点でおよそ5%の普及率だが2023年には25%を見込む」(同社)としている。

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