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エレクトロニクスおよび半導体分野における次世代放熱材料の開発を加速

デンカ、放熱フィラー事業の強化に向け韓国スタートアップへ出資

原材料 2025-10-17

 デンカは、ペガサス・テック・ベンチャーズと共同で運営するコーポレート・ベンチャー・キャピタル(CVC)ファンドを通じて、窒化ホウ素ナノチューブ(BNNT)の開発・製造・販売を手がける韓国のスタートアップ企業「Naieel Technology」へ出資することを決定した。

 BNNTは、窒化ホウ素がチューブ状に巻かれた構造を持つナノ材料。機械的強度、熱伝導性、熱安定性、化学的安定性に優れた絶縁体で、エレクトロニクス分野、半導体分野、航空宇宙分野、医療・バイオ分野など幅広い分野での応用が期待されている。

 Naieel Technology社は、BNNTにおいて高い生産能力を誇る独自の生産技術を有しており、低エネルギー、低コストかつ高純度・高品質での製造を可能とする革新的なプロセス「Thermochemical process」を確立している。

 Naieel Technology社は、BNNTの高い熱伝導性、優れたリチウムイオン伝導性、そして高耐久性を活かし、各種電子デバイスにおける放熱材料、リチウムイオンバッテリー、エネルギー産業および航空宇宙分野など、幅広い用途での活用を見据えた開発および製造を行っている。

 デンカは、近年急速に拡大するAIサーバーや半導体パワーモジュール等の高熱伝導ニーズに対応するため、Naieel Technology社と共同で熱伝導フィラーの開発に注力。これらのフィラーは、従来品と比較して、半導体パッケージ材料の熱伝導率を少なくとも20%、場合によっては50%以上向上させることが可能となっている。

 今回の出資を通じて、今後さらに高度な熱対策が求められる次世代放熱材料の実現に向け、BNNTとデンカの放熱フィラーとの組み合わせによる共同開発などで連携を図っていく。

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