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タイヤの持続可能な製造拡大に貢献

トリンセオ、 SBR業界初のマスバランス認証を取得

原材料 2021-04-07

 ラテックス接着剤や合成ゴムを手掛けるグローバルメーカーのトリンセオ(本社:米国ペンシルベニア州)は、サステナビリティの認証制度であるISCC(International Sustainability&Carbon Certification)から、マスバランス認証を取得したと発表した。

 取得したのは、シュコパウ(ドイツ)で製造する合成ゴム(SBR)、テッセンデルロ(ベルギー)で製造するポリエチレン、シュターデ(ドイツ)で製造するポリカーボネートの3つの材料群で、SBR業界での認証取得は世界初となる。

 マスバランスとは、生産サイクル全体の投入量(持続可能な原料など)の総量を最終製品までトレースする証拠保全管理体制(CoCモデル)で、既存の製造インフラの利活用により、持続可能な材料を製造する際に有効なシステムのひとつ。例えば、マスバランス認証を取得した原料を全体の10%投入した場合には、完成した製品のうち10%を‟サステナブルな製品“と保証することが可能になる。



 持続可能な社会の実現に向けて世界的に気運が高まるなか、自動車産業でも各メーカーが原材料の循環利用を進めているものの、持続可能な原料での製造には新たに莫大なインフラ投資が必要になるなど、大きな商業的障壁が課題となっている。

 マスバランスを活用することで、既存インフラを活用したまま、既存の石油資源と持続可能な資源を組あわせた製品の製造が可能になる。原材料全体のうち、持続可能な供給原料が占める割合を段階的に高めていくことで、持続可能な社会の実現に貢献できる。

 国内SBRの約7割を消費するタイヤ産業では、大手タイヤメーカーがタイヤの転がり抵抗の減少や、燃費性能を向上させることでCO2削減に貢献している。トリンセオでは、これに加えてマスバランスの適用により、バイオや循環型原料など持続可能な原料を使用することで、タイヤの持続可能な製造拡大に向けたソリューションを提供していく考えだ。

 マスバランスについては、以下のアドレスにて3.5分のアニメーションで解説している。
 https://trinseo.widen.net/s/wfrb2fxbsj/trinseo_mass_balance_anime

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