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東京大学と共同で

産業技術総合研究所、熱伝導性備えたゴム複合材料開発

原材料 2020-02-28

 産業技術総合研究所は2月17日、東京大学と共同で、環動高分子であるポリロタキサンの中にフィラーとして2種類の繊維状カーボン(カーボンナノファイバー[CNF]およびカーボンナノチューブ[CNT])を分散させることで金属に匹敵する熱伝導性を備えたゴム複合材料を開発したと発表した。

CNFを配列させた高熱伝導性ゴム複合材料の模式図


 これまで、繊維状カーボンは凝集性が強く、複合材料中に分散しにくいため、繊維状カーボン同士が互いに接触して繋がった熱伝導のネットワークを複合材料全体にわたって形成するのは困難だった。また、大きな繊維状カーボン凝集体とゴム素材との界面が変形時の破壊の起点となり、脆化の要因のひとつとなっていた。

 今回開発したゴム複合材料は、繊維状カーボンを、水中プラズマ技術を用いて表面改質して分散性を高め、さらに高分子と複合化する過程で交流電界をかけてCNF配列させることで高い熱伝導性を実現。また、ゴム原料に環動高分子を用いることで、繊維状カーボンを大量に添加してもゴム弾性を維持できるゴム複合材料を実現した。

 今回開発したゴム複合材料は、フレキシブル電子デバイス用の熱層間材や放熱シート、放熱板などへの応用が期待されている。

 また、今後はCNFの配向条件や改質条件を最適化して熱伝導性と柔軟性の向上を図ると同時に、フィラーの3次元構造の観察や解析を通じて、複合材料の構造と特性との数理的関係の解明を進め、さらに企業との共同研究により、部材、デバイスへの展開、実用化を図っていく方針。

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