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「摩擦伝動ベルトの省エネ講座2025」をテーマに

バンドー化学、ウェビナーを開催

工業用品 2025-06-30

 バンドー化学は6月24日、「摩擦伝動ベルトの省エネ講座2025」をテーマに、ウェビナーを開催した。

ウェビナーの様子


 今回のウェビナーでは、産業資材事業部営業部伝動営業グループの宮岸未来也氏がMCを、同事業部技術部シンクロベルト・システム設計グループ主事の吉見武将氏が講師を務め、「省エネ製品を知り、省エネ課題の解決に役立てる」、「適切な張力管理方法を知ることで、省エネベルトの性能を最大限に発揮する」をゴールに解説した。

 同社では、省エネに特化した伝動ベルトのラインアップとして、Vベルトでは「省エネレッド」および「省エネパワーエース」を、平ベルトでは「HFD System」を展開している。

 ベルトは、動力を伝える際に必ずエネルギー損失が発生する。そのエネルギー損失の中で「曲げ応力」(ベルトを曲げるために使われる力)が最も大きなウエイトを占めており、曲げ応力を低減することで省エネを実現することができる。

 省エネレッドと省エネパワーエースは、ベルト底面に切り込みを入れる加工(ノッチ加工)を行うことで物理的にベルトの剛性を低減。ベルトを曲げやすくし、エネルギーロスを低減する。

 省エネレッドを例に挙げると、スタンダード品のベルト剛性を100とした場合、省エネレッドは50。ベルトがより曲がりやすくなっていることから、エネルギーロスの低減に貢献する。また、ベルト剛性が低減することで屈曲時の発熱も低減。加えて、ノッチ加工による放熱効果により走行時のベルト温度が低下することからクラック寿命も良化する。スタンダードのVベルトから省エネレッドへの交換に関しては、プーリの交換も不要で、設計によってはベルト本数も減らすことができる。

 一方のHFD Systemは、「平ベルト」+「蛇行制御プーリ」+「オートテンショナ」が一体となったシステム。厚みの薄い平ベルトを使用することでベルトを曲げやすくし、エネルギーロスを低減するだけでなく、平ベルトの蛇行を自律制御する蛇行制御プーリと張力を安定的に付与するばねにより、長寿命とメンテナンスフリーを実現する。

 また、曲げロスがVベルトよりも少ない平ベルトを使用することで、高い伝動効率を実現。省エネレッドの伝動効率が95.8%なのに対して、平ベルトは99.0%となっている。

 同社では、省エネ製品に切り替えることで得られる効果を自分で計算できる「省エネ診断ツール」をWeb(https://products.bandogrp.com/support/)上で公開している。

 ウェビナーでは最後に、省エネベルトの効果を最大限発揮させるためには、プーリのアライメント調整および適切な張力管理が非常に重要になると結んだ。

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