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国内外の建設機械需要増背景に

高圧ホースの需要が回復

工業用品 2017-03-06

 建設機械や工作機械などに使用される高圧ホースの需要が回復している。

 回復の背景には、建設機械需要の増加がある。内閣府が発表している機械受注統計によると、建設機械受注は昨年8月から5カ月連続で前年を上回っている。もう一方の主需要先である工作機械が、依然として厳しい状況であるのとは対照的だ。

 国内の建設機械の活況は、排ガス規制に伴う需要が大きい。排ガス規制の猶予期間が終わる8月以降の需要は不透明のままだが、足元では高圧ホースメーカーも2ケタの伸びとなっているところもあり、8月までは好調を維持する見通しだ。工業用ゴム商社筋の話でも、17年は16年より好転するという。

 一方、海外でも高圧ホース需要が高まっている。

 中でも回復傾向が顕著なのが中国。在庫調整が一段落したこともあり、昨年夏以降に回復してきた。「以前、好調だった時と比べれば、まだそれほどでもないが、15、16年よりは間違いなく良いだろう」(ホースメーカー)という。実際、日系の高圧ホースメーカーの中国拠点は、フル生産に達している。あとは、この好調がいつまで継続するのかが焦点になる。

 2月27日に日本建設機械工業会が公表した、会員企業へのアンケート結果によると、北米、中国、中国以外のアジアの17年の建設機械需要は増加すると回答した企業の割合が高い。北米と中国は、過半数の会員企業が増加するのではとみている。また、18年には欧州でも増加の割合が高まってくると予想しており、アンケート結果を見る限り、海外での建設機械需要は、好調が持続しそうな見通しだ。

 建設機械の需要増により、回復してきた高圧ホース生産。あとは、もう一つの需要先である工作機械の需要回復が待たれるところだ。

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