デンカ、共同研究先である国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所の研究論文掲載のお知らせ
2017年10月13日
デンカ株式会社(本社:東京都中央区、社長:山本学、以下「デンカ」)の主要グループ会社であるデンカ生研株式会社(本社:東京都中央区、社長:綾部光邦、以下「デンカ生研」)は、国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所(理事長:米田悦啓、以下「基盤研」)との間で本年4月1日付にて「新規大腸がんマーカー 診断薬の開発」に関する共同研究契約を締結しております。
このたび、同研究所「プロテオームリサーチプロジェクト・創薬標的プロテオミクスプロジェクト」(注1)の朝長毅プロジェクトリーダーと白水崇研究員の研究成果が10月6日にScientific Reports電子版に掲載されましたのでお知らせ致します。
本研究論文は、同研究所の朝長毅プロジェクトリーダーと白水崇研究員が発見した「従来の腫瘍マーカーの精度を大きく上回る新しい大腸がん早期診断バイオマーカー(注2)タンパク質」に関する研究成果です。
デンカ生研は、同研究所と共同で本研究成果である新規大腸がんバイオマーカータンパク質測定法の開発を進めていく予定であり、5年後の実用化を目指してまいります。
デンカグループでは、健康関連事業において、胃がんのリスクを評価するピロリ菌検査試薬、デンカキュージェノミクスによるがん遺伝子変異検査及び情報提供サービスなどの、がん診断領域に加えウイルス製剤「G47Δ」によるがん治療領域も強化しております。本研究の早期実現を目指し、さらなる医療発展と人々のQOLの向上へ貢献してまいります。
【研究論文の原題】
Quantitation of putative colorectal cancer biomarker candidates in serum extracellular vesicles by targeted proteomics.
(邦題:ターゲットプロテオミクスを用いた血清細胞外小胞中の大腸がんマーカー候補タンパク質の定量)
(著者:白水 崇、久米秀明、石田美海子、足立 淳、加野将之、松原久裕、朝長 毅)
【国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所のリンク先】 http://www.nibiohn.go.jp/information/nibio/2017/10/005286.html
【掲載誌について】
掲載誌名:Scientific Reports 電子版
【注釈】
注1:プロテオーム(proteome)とは、protein(タンパク質)とgenome(ゲノム)を組み合わせた造語です。ゲノムが一個の生物の持つ全ての遺伝情報を指すのに対し、プロテオームは細胞内で発現している全タンパク質のことを指します。プロテオームを扱う解析をプロテオミクスといいます。
注2:バイオマーカー(biomarker)とは、血液中のタンパク質等の物質であり、ある疾病の存在や進行度がその濃度に反映されます。一般的には特定の病状の指標となります。