【特集】予兆・検知に貢献するゴム企業
日本ゼオン、単層カーボンナノチューブ(CNT)「ZEONANO SG101」を 活用した熱電変換―工場設備等の故障検知は技術にめど、新たな活用法も視野に
会員限定 ラバーインダストリー 2025-07-08
本記事は月刊ラバーインダストリー2025年3月号掲載記事です。購読・購入の申し込みはこちらから。
日本ゼオンが、スーパーグロース法で製造する単層のカーボンナノチューブ(CNT)「ZEONANO SG101」。単層、長尺、高純度、比表面積が大きいなどの優れた特長を生かし、エレクトロニクス分野やエネルギー分野などに幅広い用途展開が期待されている。「ZEONANO SG101」の用途展開の一つで実用化が近づいているのが、半導体としての特性を生かした熱電変換素子としての活用。センサや通信機器などを含めたシステムとして、工場設備等の故障検知での運用が期待される。熱電変換モジュールを用いた検知は、実証実験を進め技術のめどがつき、課題は実際の設置、運用へと移っている。一方、「ZEONANO SG101」を活用した熱電変換は、検知にとどまらず、新しい活用法を視野に入れている。
なぜ熱が電気に変換されるのか
実用化が視野に入っている熱配管を利用した機器の故障検知システムは、熱電変換という半導体に起こる現象を用いたもの。熱を電力に変換するという半導体の現象で、温度差により電位が生じるゼーベック効果によって起こる。
ある材料の片側を温め、片側を冷やした場合、熱は自然の摂理として高温側から低温側へ均一を保とうとする。この際、多くの材料の中に均一に存在する、電流の素となる電荷も同様に動く。この材料が金属であれば、熱の動きは非常に速く、片側を温めると温度差があったとしてもすぐに均一化される。ところが、「ZEONANOSG101」のような半導体は熱の動きと電荷の動きにずれが生じる。電荷は高温側から低温側へとすぐに動くが、熱の伝わり方が金属のように速くなく、材料内で温度差が維持されたままの状態が続く。

熱電変換素子の仕組み
ただ、高温側と低温側には、すでに電荷の分布に偏りが生じており、電位差が生じる。この時、高温側と低温側に回路を繋ぐと、電荷は余っている(低温)側から足りない(高温)側へ移動し均一化しようとする。しかし、材料の温度差自体は維持された状態のため、電荷は偏りと均一化を繰り返すことになり、ここに電気が生じる。温度差が生じている限り、電荷の偏りと均一化が繰り返され、発電する(上図参照)。
スーパーグロース法を用いた単層CNTだからこそ「ZEONANOSG101」の特性は良い
CNTは一般的に、半導体の特性を持つものと金属の特性を持つものとが混在する。通常は3分の1が金属で、3分の2が半導体とされる。CNTは、ナノサイズのチューブ状の物質だが、一層からなる「単層CNT」と同軸で複数の層から構成される「多層CNT」が存在し、多層は層が何層もあり、1層目が半導体であったとしても、2層目が金属ならば特性は金属となる。多層は、どこかの層に金属の層ができる可能性が高いので、基本的に半導体の特性は持たない。熱電変換は半導体で起こる現象であり、CNTの中では「ZEONANO SG101」のような単層CNTだけが持つ特徴となる。
また、熱電変換を効率よく引き出すには、
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