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【インタビュー】第一社長髙田潤二郎氏

組織を整備し社員の連携強化

商社 2016-02-29


 2月24日に就任した第一の髙田潤二郎社長。前任の田村茂会長兼社長からバトンを引き継ぎ、創業122年という歴史ある商社の舵取りを任された。歴史の重みを感じつつ、新社長として第一の新たな歴史を切り開いていく。

 ■社長就任の抱負
 当社は1894年創業の歴史ある商社です。先輩方が築き上げた、この歴史ある会社を引き継ぐということで身が引き締まる思いです。この会社を我々若い世代がこれから発展させていかなければならないと思っています。

 ■職歴・社歴
 今年3月で入社11年目になります。当社に入社前は、メリルリンチ日本証券に新卒入社した後、インターネット関連のベンチャー企業に勤めました。営業部で毎日何十件も新規開拓の電話をかけることもあれば、経営企画部で徹夜で経営資料づくりをすることもありました。当社に入社後は、まず経営管理の職務を担当しました。そこで会社全体を理解し、経営を学びつつ、営業の方にシフトしていきました。

 ■一社員として
 2013年から2年間は、より現場を知るために役員を退任し、西東京支社で肩書きなしの一営業員として働きました。商社としての存在意義をどこに見出し、高めていけば良いか、取引先様と直接触れ合いながら考える大変良い経験になりました。

 ■組織整備に着手
 ゴム工業製品商社というのは従来、営業マンの個人商店的な色合いが強いと思います。当社もその傾向がありますが、これからは社内組織を整備し、社員が連携しながらチームとして活動していかなければいけないと思っています。また、そうでなければ、会社の成長は望めないでしょう。

 また営業マンだけが頑張っても思うように業績は伸びません。それをサポートする営業事務の役割が非常に重要です。営業事務もスキルアップすることで、チームワークが高まり、業績アップにもつながると考えています。

 私が配属された西東京支社は業績が堅調でした。そこで働いていて気がついたのですが、営業事務の女性社員が優秀で、営業マンをしっかりとサポートしていました。そのため営業マンは仕事に集中することができ、その結果、成績も順調に伸びていました。改めてチームワークの重要さを実感しました。

 会社組織の整備にはすでに着手していますが、これからさらに体制を整えていくつもりです。

 ■商品開発と加工品
 当社ではベルトや接着剤などの各メーカー様とのタイアップによる商品開発ビジネスと、ゴム・樹脂・金属の加工品ビジネスが2本の柱になっています。お客様のニーズに対応しながら製品開発をしていく加工品事業は伸びしろが大きいと思っています。いずれのビジネスも、担当者のヒアリング能力やコミュニケーション能力が重要になります。こうした能力を高めることで、お客様のニーズをしっかり把握し、製品化のスピードアップをはかる必要があります。

 ■既存と新規
 既存のお客様との取引を精査すると、まだまだ開拓の余地があります。当社のお客様には大手企業も多いので、先輩方が築いてくれたパイプをさらに太くし、懐の中に深く入り込み、お客様が気づかないようなことまで我々が提案するようになれば、さらに需要の掘り起こしができると思っています。

 また新規開拓にも、これまで以上にしっかり対応していきたいと思っています。

 ■売上高重視
 商社の付加価値とは取引をどれだけ成立させるかということだと思います。当社だけでなく仕入先様の労力も無駄にしたくはありません。ですから売上高、取引高を重視しています。「第一と取引をすればメリットが出る」とお客様や仕入先様に言っていただけるように努力していきたいと思います。
 

仕入れ機能を高める

 ■今後の課題
 会社組織を強化・充実させていくためにも、優秀な人材の確保と育成は重要な課題です。現在も各事業所で人材募集しています。

 調達部門の強化も課題です。注力する商材に関しては、調達部門を新たに設けて、仕入れ機能を強化していくことも考えています。お客様に最適なご提案ができるよう、日本全国から信頼できるパートナーを増やしていきたいと思っています。

 ■業績状況
 15年度(12月期)は若干の減収となりましたが、今期は前期比8%増収を計画しています。足元の状況は良くありませんが、今期はこれまで取扱の少なかった種類の加工品の受注・引き合いが増えており、業績に寄与するものと思っています。

 髙田潤二郎氏の略歴
 1977(昭和52)年3月16日生まれ、38歳。京都府出身。

 99(平成11)年3月同志社大学経済学部卒業、2005(同17)年3月第一入社、取締役、同年4月取締役常務兼経営管理部長、10(同22)年1月取締役副社長執行役員、12(同24)年2月副社長退任、14(同26)年2月取締役執行役員退任、15(同27)年2月取締役、16(同28)年2月代表取締役社長

 趣味=空手。学生の頃から武道に取り組み少林寺拳法や剛柔流空手の稽古を積んだ。2年前から極真空手の道場に通っている。
何事にも挑戦

 ◇田村茂会長のコメント
 70歳になったのを機に社長を退き後進に譲ると決めた。新社長はまだ38歳と若いが、経験不足のところは私がフォローしていきたい。社長として自分なりの考えや方針を持っていると思うので、失敗を恐れず何事にも積極的にトライして欲しい。

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