次世代正着縁石の改良も
ブリヂストン、バス乗降時のバリアフリー化に貢献するコンセプトタイヤを開発
タイヤ 2017-06-22
ブリヂストンは6月15日、バス停車時に縁石とタイヤサイド部を接触させることで、バス乗降口と停留所の隙間を小さくする正着性向上に貢献する「バリアフリー用新コンセプトタイヤ」を開発したと発表した。
新コンセプトタイヤは、ゴム自体を摩耗しにくくしていることに加え、接触を繰り返すことによりサイドゴムが摩耗した際は交換が可能なことが特長。同時に、2016年12月に発表した「次世代正着縁石」の正着性をさらに向上させた。2020年の実用化を目指す。
同社では、接触を繰り返すことによるタイヤサイド部の摩耗が進んだ際の対策として、サイドゴムの貼り替えを可能にする新しい技術を考案した。例えば、サイド部とトレッド部の双方が摩耗した場合は、リトレッド工場で新たなトレッドゴムとサイドゴムを同時に貼り替えることが可能。また、サイド部がトレッド部よりも早く摩耗した場合には、シート状のサイドゴムを追加接着することで、タイヤの再使用が可能となる。いずれも、同社のリトレッド技術などを応用している。
これらの技術を適用し、従来の摩耗対策(タイヤサイド部のゴムをあらかじめ厚くすること)に比べ、タイヤの重量増や転がり抵抗悪化を軽減が可能で、また摩耗した部分のみを交換するため、より省資源で、バス事業者に対してタイヤを「より長く経済的に」ご使用頂くモデルの提案が可能になる。
この交換可能なサイドゴムは、タイヤが縁石と接触する際の耐摩耗性能(削れ難さ)と低摩擦性能(滑りやすさ)に着目し開発。その結果、この新コンセプトタイヤは、縁石とサイド部が接触した際の摩耗量が従来品の約4分の1と、大幅に抑制できることを実車試験で確認している。
また、2016年12月に発表した「次世代正着縁石」は、適度に傾斜させた路肩スロープで、容易かつ安定して正着性を向上させつつ、縁石底ラウンド形状にてタイヤサイド部の摩耗を軽減するものだったが、今回は新たに車両接触回避形状を導入することにより「次世代正着縁石」の段差を改善。
具体的には、「次世代正着縁石」で58ミリだった段差を減少させ、かつ車体と縁石の接触を回避するために、縁石側に車両接触回避部を有する新たな縁石・路肩形状を考案した。
この新形状の適用により、さらに25ミリの段差減少を実現(段差33ミリ)し、バス乗降時の車椅子やベビーカー利用者の負担軽減に貢献できる。
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