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より高度な技術開発が効率的に行える

横浜ゴム、TTCHに屋内氷盤旋回試験場を開設

タイヤ 2023-02-09

屋内氷盤旋回試験場


 横浜ゴムは、タイヤテストコース「北海道タイヤテストセンター(Tire Test Center of Hokkaido=TTCH)」(北海道旭川市)に、屋内氷盤旋回試験場を開設した。冬用タイヤの氷上旋回性能をテストするもので、2023年1月5日から稼働を開始している。同試験場は全長、全幅とも56メートルで、氷盤面積は1,960平方メートル。氷盤旋回の屋内試験施設としては国内最大としている。

 同試験場は、凍結路面において氷上制動性能の次に重視される、氷上旋回性能のさらなる向上を目指し開設した。屋外試験と比べ、天候や気温など外的要因の影響を受けにくく、氷面状態を安定的に保つことができるため、試験データの精度が向上し、より高度な技術開発を効率的に行える。旋回半径10~22mまでの試験が可能だ。

 横浜ゴムは2015年12月にTTCHを開設して以来、タイヤ事業のグローバルな拡大に対応するため、試験・評価手法の高度化を進めてきた。冬用タイヤ向けでは2018年1月に屋内氷盤試験場を開設、2020年11月には同施設に氷の表面温度を-10℃~0℃(基準の室温が5℃の場合)までコントロールできる国内最大級の冷媒装置を設置した。今回完成した旋回試験場は屋内氷盤試験場に隣接している。同社では、「両施設での試験を効率的に組み合わせ、安全性をさらに高めた冬用タイヤの開発を加速していく」としている。TTCHでは世界中で販売する全ての冬用タイヤの試験を行っている。

 お披露目会を開催
 2月7日には屋内氷盤旋回試験場のお披露目会が開催され、TTCHが立地する旭川市の今津寛介市長が参列した。お披露目会では横浜ゴムの清宮眞二取締役執行役員・技術統括兼品質保証本部担当兼タイヤ製品開発本部長が「当社は冬用タイヤに関し、一貫して氷上での安全性能を求めてきた。TTCHでは2018年に屋内氷盤試験場を開設するなど、スタッドレスタイヤの評価体制を整えてきた。スタッドレスタイヤの性能は、さらなる向上が望まれている。屋内氷盤試験場、屋内氷盤旋回試験場などを活用し、冬用タイヤのさらなる性能向上に努め、ユーザーに安心、安全を届ける製品を開発していく」とあいさつ。今津市長は「(スタッドレスタイヤ)アイスガードのテレビCMでは、旭川市の風景が出てくる。旭川の試験場を通じて開発された製品が、国内外で皆さんの安心、安全に繋がっていることを考えると、私たちも誇りに思う」とあいさつした。

 また、今津市長からは、旭川市市制施行100年記念事業への支援活動に対し、横浜ゴムに感謝状が授与された。今津市長はその後、自らハンドルを握り屋内氷盤旋回試験場で試走を行った。

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