【中国でのタイヤ事業を聞く】横浜ゴムタイヤ企画部長塩入博之氏
技術の評価得られるOEに注力
タイヤ 2016-04-11
■中国ビジネスの難点
リスクは少なくないと考えています。その中でも顕著なのが、中国国内のタイヤ消費量に対するタイヤ生産能力の余剰です。
タイヤはいま、設備投資が消費量の成長を上回っており、世界的に余剰気味ですが、その縮図が中国です。ただでさえ余剰の中で、中国は景気までも減退気味ですので、タイヤの価格は必然的に下がります。そのため、リプレイス事業にとって、環境が非常に厳しくなっています。
■リプレイスについて
当社は、中計「GD100」の中でOEへの納入比率を高めていく計画であり、中国の場合はすでにOEへの納入の方がリプレイスを大きく上回っています。
一方、リプレイスについては取引先の見直しと厳選を実施し、取引件数は削減しましたが、収益性を向上させることが出来ました。リプレイスについては、これまでと商売の形態を変えていくことで、より高収益体質に転換することを狙っていきます。
■タイヤ販売拡大のための施策
中国のリプレイス市場は、タイヤ余剰の中で泥仕合の様相もあります。また当社自身も、中国での生産能力が決して高いわけではありませんので、リプレイスでむやみに量を追うことはしません。
一方でOEに目を向けると、低転がり抵抗、低燃費へのニーズは非常に高いです。価格に注目が集まるリプレイスと異なり、OEの方は技術をきちんと評価してもらえます。そうした技術は当社にとって得意分野ですので、OEに注力していく考えです。
また販促面では、当社がスポンサーとなったプレミアリーグのチェルシーの人気が高いので、チェルシーを前面に出した展開もしていきます。
■課題
中国市場が成長していることに変わりはなく、今後も拡大するとみています。しかし、その中でリスクをどう見ていくのかが重要になります。適正な生産能力による事業展開、つまりひたすらシェアを伸ばしていくのではなく、今後も必要としてもらえる市場に必要な量を供給していきます。
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