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来年のタイヤ需要 安定的に伸びる

ブリヂストンが年末会見開き今年を振り返る

タイヤ 2017-12-11

 ■強靭高分子複合体
 革新的研究開発推進プログラムであるImPactのプログラムの中で強靭高分子複合体を開発した。簡単に言うと、ゴムは路面などから色々なエネルギーを加えられた時に、引きちぎれたり、摩耗のような現象が起きるのだが、そういうエネルギーを与えられてもグッと耐えるということだ。そのイメージが強度特性という指数だが、基準配合に対し4倍、つまり耐える力が4倍になるという革新材料を開発できた。これを今後どう具現化していくかが非常に大きなポイントだ。このプログラムの中で、さらに発展させていきたい。

 ■来年のタイヤ需要見通し
 地域、商品などによってアップダウンはあるだろうが、安定的に伸びるだろう。世界経済は強く、トラック用タイヤ、鉱山用タイヤは非常に需要が強い。来年も続くと考えている。

曖昧さをなくし、権利、責任を明確に

 ■日本でモノづくりの信頼を揺るがすことが相次いだが、どう受け止めているか
 日本のモノづくりはある意味、非常に大きな曲がり角、転換点に来ていると思う。日本式の少し曖昧な部分が、契約社会、訴訟社会の中で変わる時に来ていると考えている。例えば米国の契約は非常に細かく、厳しく行っており、それに違反したらすぐに損害賠償になる。

 日本的な曖昧さは何もネガティブな部分だけではない。和を重んじ一緒になってやる、大人の対応でもあるわけで、それが日本企業を強くしてきた面も大いにあると思う。ただ、消費者から、社会から、求められるレベルがどんどん厳しくなってきている中で、権利、責任を明確にしながら、厳しくしていくことが求められている。

 当社も世界150カ国でビジネスをし、様々な顧客、ビジネスパートナーがいる。その中で自分たちの事業を守っていかなければならない。そのため、当社として曖昧さを続けることは難しいと思っている。

 日本のモノづくりが揺らいでいるとは思わない。日本人の真面目さ、一生懸命さは変わらない。体系として、新しい時代に上手く対応できていないだけだ。日本の技術力、モノづくりはこれからも強いだろう。

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