【マーケットアナリティクス】
天然ゴムの動向、産地天候不順で400円に到達
連載 2024-09-30
マーケットエッジ株式会社代表取締役 小菅 努
JPX天然ゴム先物相場(中心限月)は1キロ=400.00円まで値上がりして2011年4月以来の高値を更新した。産地天候不順を手掛かりとした買い圧力が維持され、上値追いの展開になっている。中国で景気刺激策が発表されたこと、為替が円安気味に推移したこともポジティブ。
上海ゴム先物相場は、1トン=1万8,000元台中盤まで値上がりした。2017年3月以来の高値を更新している。
産地天候不順の織り込みが続いている。8月から約2カ月にわたって、東南アジアでは豪雨が続いている。それに伴い洪水被害、地すべり等の災害も発生しており、ゴムの供給不安を解消できない状況が続いている。コーヒーやパーム油など他の農産物市場でも豪雨に対する警戒感を織り込む動きがみられ、天候相場型の急伸地合が形成されている。
これから異常気象「ラニーニャ現象」が発生する可能性が高いとみられるが、8月と9月の豪雨はその初期兆候ではないかとの見方もあり、投機買いが膨らんでいる。10月入り後に産地気象環境が安定化に向かうのか、このままラニーニャ現象発生でさらに不安定化するのかが注目されているが、供給不安の織り込みが優勢の地合が続いている。
タイ中央ゴム市場(ソンクラ地区)のRSS現物相場は、9月26日時点で前週比1.5%安の1キロ=87.99バーツ。週前半に一時85.77バーツまで下落した後、切り返す不安定な地合になった。
一方、中国では10月1~7日の国慶節の連休を前に、中国人民銀行(中央銀行)が景気刺激策を打ち出した。預金準備率を2018年以降で最低水準に引き下げるなど、流動性供給を強化している。今年の5%前後の経済成長目標の達成に向け、政策調整が始まったことはポジティブ。
この発表を受けて、ゴムや非鉄金属、原油相場などが買いで反応したが、いずれも上昇は一時的だった。中国経済を下支えするには、より積極的な財政出動などの政策対応が必要との見方が強く、需要サイドの要因で断続的にゴム相場を押し上げていくような動きはみられなかった。ゴム需要見通しに対する影響は限定的だった。
9月限の受渡価格は391.70円となり、8月限の361.00円を30.70円上回った。受け渡し価格としては2011年5月限以来の高値になる。受渡高は8月限の119枚を上回る254枚に達した。
為替が円安気味に推移したこともポジティブ。1ドル=140円割れの円高・ドル安から、145円水準まで切り返しており、9月4日以来の円安・ドル高水準になっている。円安環境からもマイルドなサポートを受けた。
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