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【マーケットアナリティクス】

天然ゴムの動向、原油高でゴムにも投機買い

連載 2021-10-25

マーケットエッジ株式会社代表取締役 小菅 努
 JPX天然ゴム先物相場(中心限月)は、RSSが1キロ=230円台まで急伸する展開になった。220~230円のボックスで膠着気味の展開が続いていたが、上海ゴム相場主導で一気に上値を切り上げ、一時240円台に乗せ、6月28日以来の高値を更新している。

 上海ゴム先物相場も1トン=1万4,000元台中盤で方向性を欠く展開が続いていたが、一気に1万5,000元台中盤から後半まで値上がりする展開になった。

 上海ゴム相場は10月19日以降、突然に急伸しているが、ゴム需給環境に特段の新規材料は見当たらず、投機色の強さが否めない展開になっている。一応は原油相場の上昇地合に影響を受けて投機買いが膨らんだ影響も指摘されているが、中国コモディティ市場でも原油高に刺激を受けて急伸しているのは上海ゴム相場のみであり、なぜこのような急伸地合が形成されたのか、明確な理由付けを行うことは難しい。

 原油高に関しては冬の需給ひっ迫懸念があり、需給要因から上昇地合が説明できる。また、非鉄金属相場の一部も堅調だったが、これも中国国内の電力供給障害で生産が抑制された影響とみられている。一方、ゴム相場にはそれに相当するような需給引き締め要因が存在しているわけではない。しかし、原油高やリスクオン環境などを手掛かりに投機買いが膨らみ、チャートが完全な高値更新サイクル入りしたことで、JPXゴム相場も急伸地合を形成している。

 チャート上では、上げ一服感から220円割れで調整売りが膨らむのか、230円突破で改めてトレンドフォローの買いが膨らむのかが注目されていたが、結果的には高値更新が再開されたことが、ショートカバー(買い戻し)や新規買いを呼び込み、高値更新サイクルの再開を促した。為替相場が円安気味に推移した影響もあるが、それ以上に上海ゴム相場高の影響が大きかった。

 自動車市場で、半導体不足などに起因した新車生産鈍化の動きが最悪期を脱したとの見方が広がり始めていることはポジティブ。10月、11月と減産が続く見通しだが、一部自動車メーカーは12月以降の増産体制移行に意欲を示している。自動車生産・販売環境が正常化に向かうとタイヤ需要環境も安定化しやすくなることはポジティブ。

 タイ中央ゴム市場の集荷量は安定している。目立った天候障害などは報告されておらず、集荷量にも大きな増減は確認できない。現物相場は、10月21日時点でRSSが前週比4.4%高の1キロ=57.63バーツ。消費地相場の値上がりに連動した動きであり、産地主導の価格形成は行われていない。

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