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【マーケットアナリティクス】

天然ゴムの動向、安値修正局面が続く

連載 2019-07-29


マーケットエッジ株式会社代表取締役 小菅 努

 TOCOM天然ゴム先物相場(期先)は、RSSが1キロ=180円台後半まで続伸する展開になった。新規手掛かり難から薄商いだったが、上海ゴム相場が安値修正の動きを見せる中、東京ゴム相場も底固く推移した。7月16日の174.00円をボトムに、反発局面が続いている。

 上海ゴム先物相場は1トン=1万元台中盤から後半でやや底固い展開になっている。東京ゴム市場に遅れる形で安値修正の動きがみられる。特に目立った買い材料などは見当たらず、持ち高調整の動きが下値を支えている。

 産地相場は上値が重いながらも、下落ペースが鈍化し始めている。タイ中央ゴム市場の現物相場は、7月25日時点でUSSが前週比0.9%安の1キロ=47.53バーツ、RSSが同1.0%高の48.86バーツ。USSは今季最安値の更新を続けているが、RSSが下げ渋りの兆候を見せ始めている。50バーツの節目を割り込む中、産地の集荷量がやや落ち込んでおり、売り渋りが行われている可能性を想定する必要がある。現段階では短期底入れを確認できるのか不透明感があるものの、少なくとも産地主導の下落圧力には一定のブレーキが掛かり始めている。

 東南アジアでは引き続き高温・乾燥が警戒されるが、必ずしも深刻な供給トラブルは発生していない。モンスーンシーズンに入る中、今後は降水量も上振れし易く、高いレベルの警戒感を維持しつつも、産地主導で上昇再開を打診するような動きは見送られている。

 タイ、インドネシア、マレーシア3カ国の輸出規制は月末で期限切れを迎えるが、生産国サイドに特に目新しい動きはみられない。最近の価格動向を見る限りだと、輸出規制が十分な効果を発揮したとは言い難い。ただ、ゴム農家支援の必要性が高まる中、生産国が価格防衛に向けて新たな動きを見せるか否かに注目したい。

 東京ゴム先物相場は、7月25日に7月限が納会を迎えたが、納会値は230.00円となっている。6月限の233.40円からほとんど変化がみられなかった。期先限月では、供給不安の緩和に伴う急落地合が形成されているが、9月限までのタイムゾーンでは高値水準が維持されている。

 一方、国際通貨基金(IMF)は2019年と20年の世界経済成長見通しをそれぞれ0.1%引き下げた。通商摩擦、ブレグジット、ハイテク部品のサプライチェーン混乱、中東地政学リスクの高まりなどが指摘されている。ただ、ゴム市場においては専ら供給サイドの動向が注目されており、このまま供給不安解消で季節トレンドに沿ったダウントレンドを継続するのか、改めて供給不安を織り込むのかが焦点になる。

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