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【マーケットアナリティクス】

天然ゴムの動向、当限堅調も期先は不安定

連載 2019-05-27


マーケットエッジ株式会社 代表取締役 小菅 努

 TOCOM天然ゴム先物相場(期先)は、RSSが1キロ=190円台前半、TSRが160円台前半をコアに、やや上値の重い展開になった。米中対立の激化が世界経済の減速懸念を高めているが、ゴム相場に対する影響は限定されている。

 上海ゴム先物相場は、1トン=1万2,445元まで値上がりして3月7日以来の高値を更新した後、再び1万1,000元台後半まで軟化する荒れた相場展開になっている。

 米政府が中国の華為技術(ファーウェイ)に対する禁輸措置に踏み切る中、米中対立の深刻化に対する警戒感が国際資源価格全体を押し下げている。銅相場は約4カ月ぶりの安値を更新しており、原油相場なども高値から下押しされている。しかし、上海ゴム相場は他資源相場に逆行して急伸した後に急反落する荒れた展開になり、東京ゴム相場も期先は不安定な値動きで、決定打を欠く展開になった。

 一方で、5月27日に納会を控えた当限(5月限)は、200円の大台を回復し、当限継足での年初来高値(211.00円)に迫る展開になっている。

 現在は減産期から生産期への移行時期になるが、エルニーニョ現象の影響で世界的に天候が不安定化する中、供給不安を反映したとの評価が浮上している。また、5月20日からタイが輸出規制に遅れて参加したため、供給減少の思惑も当限を支援した模様だ。

 しかし、産地相場の値動きは鈍い。タイ中央ゴム市場の現物相場は、5月23日時点でUSSが前週比1.7%高の1キロ=51.13バーツ、RSSが同0.3%高の53.42バーツ。USSが若干強含んでいるが、東京ゴム相場の当限を産地主導で大きく押し上げるような動きまでは確認できない。集荷量も緩やかな増加傾向にあり、まだ正常化したとは言い難いが、減産期から生産期への移行は概ね順調に進んでいる。

 東南アジアではモンスーンがタイ、カンボジア、ラオスを通過し、やや降雨過多傾向が強まった。ただ、乾季から雨季への移行期とあって、土壌水分は依然として不足がちであり、大きな問題には発展していない。

 上海ゴム相場の動向が注目されるが、数日単位で乱高下が繰り返されており、暫くは東京ゴム相場も不安定な値動きが続きやすい。世界経済の減速懸念を織り込んで軟化するのか、中国通貨の人民元安や景気対策の期待で上昇するのか、明確な相場テーマを設定できない状況が続いている。

 6月の20カ国・地域(G20)首脳会談に向けて、米中両国の駆け引きが激しさを増しており、ゴム相場も米中対立を巡るメディアの報道に一喜一憂する展開が続く可能性が高くなっている。

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