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新中計 “SDGsや人を中心に描く”

【インタビュー】日本ゼオン取締役執行役員・管理本部長 松浦一慶氏

会員限定 ラバーインダストリー 2021-08-31

松浦一慶氏


 今年4月に新中期経営計画を発表した日本ゼオン。これまでの中計と異なり、SDGsや人へ焦点をあて、それを中心に描かれている。「中計を通じて、今後会社がどのように変化していくのか、私自身もワクワクしている。今回の中計は、ボトムアップで策定した部分もある。社員一人ひとりが中計に自分事として取り組んで欲しい」と話す松浦一慶取締役執行役員・管理本部長に、中計によって目指すものを聞いた。

新中計策定までの流れ

 今回の中計を策定するにあたって、経営側としては社員一人ひとりに中計を自分事として取り組んで欲しいという強い想いがあった。そこで、3つの新中計策定プロジェクトチームを作り、メンバーを製造、研究、営業、間接部門など様々な部門から経営側が選抜し、各チームでどのような中計にしたいのかを議論してもらった。プロジェクトチームには一切ルールを設けなかった。社員の考えを大切にした結果、中計策定の入口はこうした形になった。

 2020年秋にはプロジェクトチームから答申を受け、経営側で骨子を作成した。経営側としては、当然ながら中計の中で取り組みたいという想いのある課題がある。そのため、今度は例えばカーボンニュートラルや働き方改革など、各々の課題に対し全部で16のプロジェクトを作り、そのメンバーを公募した。当社にとって、プロジェクトメンバーを公募したのは初めてのことだった。メンバーは当然、国籍やジェンダー、役職、交代勤務や日勤といった勤務形態に関し全く不問とした。そして、16のプロジェクトそれぞれから具体的な取り組みについて、今年3月までに答申してもらった。

大切にすること

 今回の中計では、大切にすることとして「まずやってみよう」「つながろう」「磨き上げよう」の3点を掲げている。この3点については、中計の策定にあたる初期段階から社員に示している。大切にすることの1つ目に「まずやってみよう」とあるが、プロジェクトメンバーを公募する際、これが社員の背中を押してくれないかという狙いもあった。

 「つながろう」に関しては、普段接点のない人たちも横で繋がって欲しいという想いが入っている。社員の繋がりを促進するためのツールとして、昨年10月にMicrosoftが提供している企業向けソーシャルネットワークサービス(SNS)のYammerを導入した。社内SNSをオープンすることで、社員が普段から繋がっていく仕組みを作った。Yammerの導入に、新型コロナウイルスは大きく影響している。

 当社は新型コロナの感染拡大に対応するため、

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