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ランクセス、温室効果ガス排出量を削減

11月30日

・ランクセスは過去10年間で世界の温室効果ガス排出量を二酸化炭素換算(CO2e)で1,380万トン削減
・特定温室効果ガス排出量は二酸化炭素換算(CO2e)で53%削減済
・2025年までにさらに25%の削減を目指す
・目標達成を支える最先端の設備とコンセプト

 ドイツの特殊化学品メーカー、ランクセス(LANXESS)は、この10年間で1,380万トンの二酸化炭素排出量を削減しました。これは同期間にケルンとボンに登録されたすべての自動車(約60万台)が排出する二酸化炭素量に相当します。ランクセスは現在、世界気候変動会議で議論されている二酸化炭素排出量削減において、顕著な進展を遂げています。

 ランクセスは設立以来、有害な温室効果ガス排出量の削減に継続的に取り組んできた結果、大きな成果を上げています。ドイツにあるランクセスの製造拠点は、ドイツ連邦政府が2030年までに削減すると定めた二酸化炭素排出量の削減規定をすでに達成しています。2007年から2016年の間に、ランクセスは世界中の製造拠点において、特定温室効果ガス排出量を二酸化炭素換算で53%削減しました。

 このような大幅なCO2排出量削減にもかかわらず、ランクセスは2025年までに特定温室効果ガス排出量を2015年比で25%削減するという新たな目標を設定し、引き続き二酸化炭素排出量の削減に取り組んでいます。ランクセスは、製造施設の定期的な見直しと革新的な技術を継続的に導入することでこの目標を達成します。

 経営委員会メンバーのフーバト・フィンクは、次のように述べています。 「環境保護と経済成長は相反するものではありません。ランクセスは、双方を達成するために、卓越した効率性と効果を誇る製造技術を活用していきます」

効率的な製造に注力
 例えば、ドイツのレバクーゼン拠点とクレフェルト・ユルディンゲン拠点および米国のベイタウン拠点では、継続的に、工程で発生する熱を使用して蒸気(廃熱)を生み出し、その蒸気のほとんどを、統合された製造ネットワークに再利用します。

 他の例として、クレフェルト・ユルディンゲン拠点にあるアジピン酸を製造する2つの近代的な亜酸化窒素(N2O)削減施設(略称LARA)が挙げられます。ドイツ初の熱亜酸化窒素低減装置が1992年に同拠点で稼働を開始して以来、約85%の排出削減を達成しています。 2番目のLARA設備が2009年にネットワークに加わりました。熱プロセスにおいて、亜酸化窒素はアジピン酸製造によって生成された廃ガス流から分離され、1,000℃以上で酸素と窒素に分解されます。この過程で発生する熱により、同拠点の供給ネットワークに送られる蒸気が生成されます。

 さらに、ランクセスはコージェネレーション(熱電併給)設備によってブラジルのポルト・フェリース製造拠点での温室効果ガス排出量を削減しています。最大90%という高効率のこの設備は、 酸化鉄顔料の製造に使用する電気と蒸気をランクセス製造拠点に供給します。サトウキビから砂糖を製造する過程で排出される繊維状の絞りかすであるバガスを使用しているため、この発電所は、カーボンニュートラルになっています。 このコージェネレーション設備によって、ランクセスは温室効果ガス排出量を大幅に削減することが可能となりました。

気候保護における卓越したパフォーマンス
 2017年10月、ランクセスは持続可能性の推進と有害ガス排出量削減へのコミットメントに対し、さらなる評価を得ました。温室効果ガス排出量に関する世界的な情報開示を目指す国際的な非営利団体CDP(旧称:カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト)から、「気候変動Aリスト」企業に選定されました。このリストの目的は、温室効果ガス排出量削減、環境負荷の最小化、低炭素経済の促進などに尽力する企業を評価することです。「気候変動Aリスト」のメンバーとして、ランクセスはこのプロジェクトに参加した数千社を超える企業の上位5%以内に入ることになります。

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