スガ試験機とホンダ寄居工場を訪問
日本ゴム協会関東支部が見学会開催
その他 2017-10-05
日本ゴム協会関東支部は9月25日に見学会を開催した。今回は試験機メーカーのスガ試験機と、自動車メーカーの本田技研工業を見学した。
スガ試験機は埼玉県日高市に工場があり耐候性や腐食性関連の試験機を主に生産している。同社によると錆びが原因で生じる損失は、日本全体で年間4兆円にのぼるという。同社が開発する試験機はそうした損失を減少することに役立っている。
スガ試験機の本社工場は敷地面積が4,500坪。敷地内に5つの工場と2つの事務所棟がある。当日見学したのは、試験機の外枠を加工する板金工場と腐食性関連試験機の工場、耐候性関連試験機の工場。同社の試験機はすべてオーダーメイドの手作りで、顧客のさまざまな要望に応えることができる。見学の前には、ゴムの試験方法である、熱老化試験、耐オゾン試験、耐候性試験について説明を受けた。ゴム製品の開発・生産にも役立つ内容で、参加者も熱心に聴講した。
本田技研工業では、埼玉県大里郡寄居町にある寄居完成車工場を見学した。同社では、寄居工場と狭山完成車工場(狭山市)、小川エンジン工場(比企郡小川町)の3拠点を合わせて埼玉製作所と総称している。
寄居工場は2013年7月に操業を開始した同社で一番新しい工場で、小川工場で製造したエンジンを組み込んで完成車を製造している。敷地面積は95万平米で、東京ドーム約20個分の広さ。建屋総面積は22万平米。生産能力は1日1,050台、年間25万台。小型・中型車を製造している。従業員は約2,200人。溶接工場、組立工場、プレス工場などがそれぞれ独立していて、工場と工場をスカイウォーク(空中渡り廊下)で結び、従業員が移動できるようにしている。環境に配慮した工場で、高断熱高気密構造を採用し空調を効率化するとともに、メガソーラーシステムも導入している。このメガソーラーは、一般家庭459軒分の使用電力に相当する2.6MWの電力が発電できるという。
見学したのは、溶接工場と組立工場。溶接工場ではインナー骨格の溶接工程を見学したが、10台のロボットが一斉に溶接を行い約2分で1台を仕上げている。ここで使用されている溶接ロボットは、冶具を自分で交換することもできるという。組立工場では、サスペンションの取り付け工程とタイヤの自動取り付け工程を見学した。自動化率80%の溶接工場に比べ、組立工場は人手が関わる部分が多いが、人とロボットが連携して効率よく作業を進めていた。同工場には現在700台のロボットが稼働しているという。
試験機も自動車もゴム産業にとって縁の深い業界だ。そのため今回は参加者も多く、みな熱心に見学していた。
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