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【特集】CMB

16年の総生産量は12万トン弱に回復、減少傾向に歯止めかかる

原材料 2017-07-20

 2016年のゴム精練生産量は、日本ゴム精練工業会(JPMA)のアンケート結果によると12万291トン、前年比約5,000トンの増加と、ここ数年続いた減少傾向に歯止めが掛かった。これは昨年下期、特に10月頃から精練生産量が上向き傾向となったことによるもので、需要先にもよるが今年4-5月頃までは比較的堅調に推移した。その後需要に一服感が出始め、現在は横ばい傾向で推移していると思われる。このため今後、下期以降の需要動向は不透明との見方が大半を占めている。

 ゴム精練業界の最近の動向としては、需要先にもよるがゴム精練生産量は昨年10月頃からある程度上向きで推移した。その結果、精練業界の指針となる日本ゴム精練工業会24社の2016年総生産量は12万291トン、前年対比約5,000トンの増加となった。これにより、工業会が24社体制となった12年以降13年約11.8万トン、14年約11.5万トン、15年約11.4万トンと3年連続での減少傾向に歯止めが掛かった。なお内訳は黒物9万5,906トン、色物1万5,585トンなどとなっている。

 今年に入っても、4-5月頃までは比較的堅調に推移した模様だが、スポット的な需要との見方も多いほか、需要先により生産量に差異があるなど精練業界全体の本格的な回復に繋がるかは見通せないのが現状といえる。

 この様に特に国内のゴム精練の生産量や出荷量低下を招いている要因は、需要業界の海外進出加速や、自動車生産の停滞、東日本大震災復興需要の遅れなどがあるといえる。これら国内の状況に加え、現地日系企業が材料を現地調達に切り替える動きを加速していることなども需要減の一つとなっている。

 今後の総生産量に関しても、日本ゴム精練工業会では、リーマン・ショックの影響で工業会発足後初めて10万トン台を割り込んだ09年の水準までは低下しないものの、10-11万トン前後での推移と予測している。

 この総生産量は、工業会設立間もない89-93年頃は約20万トンの大台に乗っており、中でも91-92年は2年連続で約23万トンとピークを記録した。当時の加盟企業数は27-30社で、現在の24社体制との単純比較はできないが、四半世紀でほぼ半減してしまった。

 需要動向に加え、顧客ニーズが小ロット多品種へとシフトしていることで、段取り替えやクリーニングタイムの頻度増加などによる効率低下や、小ロットにおいても1バッチごとの試験実施要請が増加していることによるコスト上昇といった課題もある。

 さらには品質保証や環境保全の観点から、PRTR法やMSDS・GHSラベル制度、可塑剤として広く使用されているDOP(DEHP)などフタル酸系の4物質が改正RoHS 指令(RoHS2)の禁止物質に追加されたことへの対応なども求められ、専門知識取得や専任担当者充実、人件費増加も課題となる。

 また各種原材料費や、空き袋、パレット、ドラム缶といった産業廃棄物処理費用も、年々上昇傾向にある。産業廃棄物の処理は、精練各社が行うケースが大半で処理費用負担増が課題であり、リサイクルシステムの早期の構築が望まれている。

 これらコストアップ要因などに加えて生産設備の老朽化、現場作業員の高齢化や人手不足といった課題も、多くの精練企業が抱えている。

 この様な環境下にあっても、精練メーカー各社はゴム精練企業として永年にわたり蓄積してきた専門的なノウハウを積極的に活用し、素材であるゴムを『ゴム製品』とする過程で必要不可欠な精練工程を担っている。この精練工程はゴム製品が存在する限り無くならず、ゴム業界への精練企業の貢献度は大きい。

 また日本ゴム精練工業会も発足以来25年以上の間、会員企業や精練業界の地位向上、業界活性化のための様々な施策を打ち出し精練業界をバックアップし続けている。特に昨年度からは、会員企業の一般社員を対象とした研修会を開催するなど、魅力ある工業会を目指して活動を一層活発化している。またホームページや、東部工業用ゴム製品卸商業組合工業用品部会主催の商工懇談会への参加など、外部に向けた情報発信や啓蒙活動を展開している。

 さらに昨年10月27日開催の「平成28年度臨時総会」で、会員増加策や賛助会員制度新設、海外研修などが決議され7月6日から9日の間タイで実施するなど、これら活動を通し日本全国をカバーするゴム精練業界唯一の業界団体として存在意義を高めている。

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