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事業譲渡や資産譲渡などあらゆる選択肢を検討

デンカ、米国子会社のCR製造設備を暫定停止

原材料 2025-05-13

 デンカは5月13日、米国子会社であるDenka Performance Elastomer(=DPE、デンカ出資比率70%)のクロロプレンゴム(CR)製造設備を、期限を定めず暫定停止すると発表した。

 DPEは、デンカ青海工場(新潟県糸魚川市)に加え、主要ユーザーが多く立地面で優位な北米にCRの第2生産拠点として2014年12月に設立。2015年11月にはDuPont社から同事業を譲り受け、米国でのCR生産を展開してした。

 しかし、近年ではコストの上昇、生産数量の減少、要員面の問題や世界的な需要後退により、当面の収益性の改善は困難な見通しとなっている。DPEでは、こうした状況を鑑み、現在定期修繕中で安全な状態で生産停止中のCR製造設備について再稼働せずに、期限を定めず暫定的に停止し、同事業について事業譲渡や資産の譲渡の可能性を含め、あらゆる選択肢を検討することを決定した。現時点で、製造設備の恒久停止は決定していない。

 なお、DPE生産品の需要家に対しては、現有在庫およびデンカ青海工場生産品を供給することで対応する。

 また、DPEは、各種コストの上昇や要員面の問題に加え、排出削減対策の実施に伴う操業上の制約ならびにサプライチェーン寸断および自然災害に伴う計画外停止などにより、生産数量の減少に直面している。さらに世界経済環境の変化によるCRの需要後退の影響も相まって、収益は圧迫している。こうした状況を鑑み、デンカは2025年3月期決算において減損損失として約161億円を特別損失に計上した。

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