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天然ゴムが8カ月ぶり安値も石化は依然厳しい

タイヤ4社、原材料落ち着き増益見込む

原材料 2018-02-26

 国内タイヤ4社の2018年12月期業績予想が出揃い、各社とも増益を見込んでいる。タイヤ販売が引き続き堅調に推移することに加え、17年12月期の大きな減益要因だった原材料価格が、一転して増益要因となる見通しのためだ。ただ、原材料価格による増益幅は決して大きくなく、原材料価格が大きく下落するというよりは、落ち着くとみているようだ。

 「増収増益にしたかったが、原材料価格高騰分を跳ね飛ばせなかった」。2月14日に開催された住友ゴム工業決算説明会の席上、池田育嗣社長は悔しさをにじませた。

 17年は年初から原材料価格が高騰。天然ゴムは投機を主因に、合成ゴムはスチレンブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)といった主にタイヤに使用される合成ゴムの主原料であるブタジエンが中国自動車生産好調を背景に急騰した。天然ゴムは前年の16年年初に比べ約2倍、ブタジエンは16年夏に比べ約3倍に跳ね上がった。

 その影響をもろに受けたのがタイヤメーカー。原材料価格は年末にかけ落ち着きを取り戻したものの、国内4社合計で1,858億円もの利益圧迫要因となった。タイヤ販売の数量増、販売構成の良化に加え、国内では6年ぶりとなる市販用タイヤの値上げに踏み切ったものの、原材料価格のマイナス分を補えなかった。

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