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【特集】合成ゴム

デンカ、第3のエラストマーを来年度上期以降に展開

原材料 2017-12-07

 デンカの上期(4-9月)クロロプレンゴム(CR)事業は、国内需要が堅調に推移したことに加え、輸出についても需要が旺盛で、販売数量は好調に推移した。「国内外で自動車生産が好調な上、資源関連の需要も高い。資源関連向けのコンベヤベルト、高圧ホース用途の需要も急激に回復した」(石塚賢二郎エラストマー部長)。

 同社では、CRのスペシャリティ化を進めている。「CRは自動車用途と非自動車用途、非自動車用途の中でも工業用品用途、接着剤用途がある。当社としてはボリュームゾーンを追うことなく、各用途で高機能製品として差別化していく。テクニカルサービス等に更に磨きをかけ、細かくニーズをキャッチすることで、新タイプ、新グレードについても飽くことなく追求していく」(同)。またCR、エチレン・酢ビ・アクリル酸エステルの共重合体であるデンカERに次ぐ第3のエラストマーを開発中。付加価値の高いエラストマーとして、来年度の上期以降に展開していく考えだ。

 米国のデンカパフォーマンスエラストマー(DPE)とのシナジーは、現在進行中。「買収後、約2年が経ち、2拠点体制での生産/販売の最適化も進んでいる。来年から更にコラボレーションを積極的に行い、シナジーを高めていく」(同)。

 CRの下期以降については、引き続き需給タイトな状況が継続するとみている。その中で、増強投資へは慎重な姿勢だ。「足元は資源関連も好調だが、この需要は乱高下する。小規模投資で増産は可能だが、慎重に需要を見極めている」(同)。

 一方デンカERは、千葉工場の生産能力を年3,400トンから同4,400トンに1,000トン増強する。増強は来秋には完了する見通しだ。デンカERはターボチャージャー用ホースを中心に需要が増加しており、増強で対応する。「これまでは生産能力の関係で展開できなかった新たな用途展開も進めていく。需要の伸びを考えると、今回の増強分も2022年で足りなくなる。20-21年に次の絵を描く必要があるが、自動車のEV化の流れがある。ユーザーと情報を共有しながら検討していく」(同)。

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