【特集】合成ゴム
宇部興産、千葉、タイ、マレーシアはフル生産
原材料 2017-12-07
宇部興産の上期(4-9月)ブタジエンゴム(BR)事業は、増収増益で推移した。タイヤ生産がアジアで105%、全世界でも103%と、増加している環境の中、「その波に乗りながら、安定して伸ばすことができた」(森滋合成ゴム事業部長)という。VCRやリニアタイプといった、同社ならではの特殊品、差別化グレードの採用機会も増加している。
収益はフォーミュラの期ズレが寄与した。「昨年度は原料価格の高騰時には期ズレにより、利益が減少したが、今第1四半期にその分を転嫁できたことで、この半期は利益が増加した」(同)。
生産面では千葉工場、タイ工場に次ぎマレーシア工場もフル生産に至った。マレーシアは、日本やタイから輸出していた部分の置き換えも進み、販売でもフルに近付いている。販売は来年にフルになる見通しだ。またマレーシア工場は2020年の稼働をめどに、年産2万2,000トンの増強を検討中。その増強にあわせ、「引き合いの高いVCRの生産設備の導入も併せて検討していく」(同)考えだ。一方、中国工場は、海外タイヤメーカーへの採用拡大により、稼働率が高まってきている。
下期についても安定した需要で推移するとみている。「需要環境は良く、千葉やタイはフル生産フル販売が継続するだろう」(同)。注視材料は原料価格。「ブタジエン価格は、昨年度も下期に大きく振れた。収益への影響も大きく、注視している。原料価格は中国の動向次第だと考えている」(同)。
開発面では新触媒の具現化を含め、次世代に向けた開発の強化を進めていく。またメタロセン触媒のMBRを深掘りしていくことで、タイヤ用途で価値を見出していく考えだ。
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