橋本拓也さんは2016年に中途採用でイノアックに入社した。品質保証部に所属している。
以前の会社でも品質保証を担当していたとのこと。自動車関係の部品を扱うメーカーだったそうだが、橋本さんが関わっていたのは“加工”からだった。

「前の会社で加工にずっと関わってきて、この元はどうなっているんだろう、知りたいと、疑問や興味が湧いてくるようになりました」

品質保証という仕事の難しさややりがい、中途組から見たイノアックなど、話を聞いた。

   

素材から“つくる”ことに魅力を感じた

   

--橋本さんはいわゆる中途組で2016年に入社とのことですが、イノアックを知ったきっかけはなんでしょうか。

橋本以前働いていた会社の時からお付き合いもあったので、イノアックのことは全く知らないわけではありませんでした。
もともと、学生時代は有機物関係の専攻で化学が得意でした。イノアックの扱っているようなウレタンや技術に興味がありましたね。

--ウレタンや技術に興味があった、とのことですが他に入社しようと思った理由はありますか。

橋本前の会社が材料を買って加工する、要は素材があって初めて加工して、モノを売るっていう事をしていました。
加工にずっと関わってきて、この元はどうなっているんだろうと疑問や興味が出てくるようになって。知りたい、モノづくりに関わりたいという思いがありました。そこで、素材からモノづくりに取り組んでいるイノアックに魅力を感じました。他にも、多種多様な製品群に興味がありました。

また、自分自身のレベルアップを図りたいとも考えていました。グローバルに活動していることも知っていたので、地方でも海外でも、とにかく色々な経験ができると思ったんです。

--イノアックを希望する気持ちは強かったんですね。

橋本そうですね。もし転職するならイノアックが良いなと思って。それで、実際に募集がかかったときに応募しました。
今は自分が得意なこと、好きなことを仕事にできていますね。

後悔はしたくなかった

--転職しようと思ったとき、誰かに相談しましたか。

橋本家族に最初に相談しました。あとは仕事に関わりのない友人にも。
正直、転職するのは、勇気がいりました。35歳の時にイノアックに転職しましたが、年齢のことも気にしていて。若いほうがチャレンジしやすいかなと思っていました。 年齢を重ねる、ということはやれることが狭まってくるのではないかという心配があって。後悔はしたくありませんでしたね。

--新卒と転職の違いや、環境が変わることについてはどう感じましたか。

橋本新卒の時の方がやはり緊張はしたと思います。 イノアックにお世話になるときは、自分に求められていることがわかっていたので、あまり緊張しなかったです。

--すでに経験値があって、やることもわかっていた。心機一転、頑張ろうという気持ちだったんですね。

橋本そうです。
頑張ろうっていう意識、意気込みの方が大きかったです。

品質保証の難しさとやりがい

--以前も技術関係のお仕事だったんですか。

橋本自動車関係の部品を扱っていて、同じく品質保証を担当していました。お客さんに対して製品の品質を保証する役割でしたが、発泡品ではありませんでした。

--イノアックに入社してからも、以前と同じように品質保証を担当しているとのことですが、何か違いを感じるところはありますか。

橋本やはりお客さんが違うので、求められる部分が違いますね。良いものを作って現場に納める、というところは同じです。

--今のお仕事で、なにをしているかを教えてください。

橋本具体的には、製品の中での、フレームラミネート【※】という製品をお客さんに提供するための品質保証をやらせてもらっています。ほぼ自動車関係のほうに部品を提供しています。

 

【※】フレームラミネート
軟質ウレタンフォームを熱で溶かして他の材料と接着をさせる工法

 

--品質保証で大切なことは。

橋本お客さんが望んでいる品質を提供できるのが一番かなと思っています。
ただ、過剰に行き過ぎてしまうと品質だけが高くなってしまってコストなどがついてこなくなる。継続して提供できてなければ、お客さんに迷惑をかけてしまいます。 お客さんの品質と求めるものをきっちり合わせていきたいです。

--いくらメーカーだからと言って、独りよがりになるのではなく、お客さんが求めるもののバランスを取りたいということですね。
絶対的な品質の追求、ではなくお客さんの求める品質が大切ということですか。

橋本そうです。
製造(社内)だけでなく、お客さんの品質担当の方ともコミュニケーションが必須です。

--苦労する点はなんでしょう。

橋本作る側は効率を求めたい、対してお客さんは質などを高めていきたい。この間を取るのが非常に難しいです。
お互いの良いところをとっていく、「ここなら良い」「ここまでなら頑張れる」っていうところを合わせていったうえで、品質を作っていきたいという思いがあります。なかなかうまくいかないケースの方が多いですが、逆にうまくいくと嬉しいですね。頑張った甲斐があるなと。

--板挟みになって、大変そうという印象を受けます。

橋本そういうのもありますね(笑)。
だからこそ、協力してくれる、理解してくれるというのもあると思います。

--会社内での品質保証は、基準は一緒なのか、それとも製品ごとに違うんでしょうか。

橋本品質保証について事業部ごとに品質基準は違いますね。
自動車か非自動車か、さらに発泡品か樹脂部品かでも違った品質保証になります。

--大枠で、基準となる品質保証があるイメージでした。製品ごとに違うんですね。
発泡品に関しては、イノアックに入社してから初めてですか?

橋本いえ、前の会社で部品は扱っていたので、作り込む工程は勉強していました。無知というわけではなく、ある程度の経験はあります。
その経験があるから現在の配属になったので、そういう意味では入りやすかったほうかなとは思います。

--仕事で壁にぶつかったときはどうしますか。

橋本とことん話します。現場でも、お客さんにも。 話し合いが本当に大事です。
私にない知見が必要な時も、周りに相談してアドバイスをもらってお客さんに話したりします。

--橋本さんとしては、お客さんのニーズに応えたい気持ちが大きいんでしょうか。

橋本要望はできるだけ反映したいと思っています。 100%応えられないこともあるんですけども。

--ある意味、営業さんよりも深いところに入らなくちゃいけないということですか。

橋本そうかなと思っています。
モノづくりを保証するっていう点では、そうなるかなと。

--結局それはお客さんの先の方にも引きずっていくわけですよね。

橋本そうです、そうなります。
作る側とお客さん、両方のことを理解し伝えるのは大変な分、達成感はすごいです。

--モノづくりとして、これから品質はどうあるべきだと思いますか。
昨今、日本の品質についていろいろ言われていると思いますし。競合他社のことや、新興国のこと。

橋本お客さんとの取り決めを守ることが一番だと思っています。
日本の基準はシビアで厳しいです。厳しい基準も必要だと思うんですが、同時にコストの問題があります。質をコストが抜いてしまうのはだめですし。慈善事業みたいになってしまいますから。

やはり品質は重要ですが、コストは意識しつつというのも必要なのかなと。ただ、海外とのギャップも感じるので、グローバルに同じ目線で見ることができればいいなと思います。 高すぎるものに対してはすり合わせが必要で、間を持つことが大事だと思います。

--鍛えなきゃいけないところが、たくさんあるんですね

橋本品質は、数値と目で見る外観っていうのがあるので。いずれにしても、外観は人によって差が出てきてしまうので、いかに間を取っていくか、正確に把握できるかというのが重要です。

突っ走らず、噛みしめることが大事

--これから品質保証部に入ってくる人は大変ですね

橋本たしかに、品質の部門は社内での色々な経験が必要だなとは思います。いきなり新入社員が、っていうのは難しいですね。
社内で色々経験して、次のステップとして品質保証があるのかなと思っています。

--今後部下や後輩になるであろう人に求めることはありますか。

橋本まずは話を押し付けないこと。作る側にもお客さんにも。 思ったことを教えてほしいですね。それを踏まえて一緒に考えていきたいです。いろいろな考えを持ってほしいですね。
一人で突っ走ると良いことはないので、しばらくは相談してもらって一緒に進めていけるのが、望ましいです。

--伝えることのズレをなくすためですね。

橋本そうです。思ったことをダイレクトに伝えると何が起こるかわからないので。お客さんとの間をこじらせると大変なことになりますから。信頼関係に直結します。
社内で話し合ったことを伝えてほしい。思ったことをすぐ言わないで、噛みしめてほしいですね。

--もし、転職について相談を受けたらどんなアドバイスを。

橋本まずは何がしたいのか、求めるものは何なのか聞きたいですね。仕事のやり甲斐だったり、お給料だったり…。
こちらの意見を無理強いすることはできないので。話すことで整理できることもあるでしょうから、こちらから答えるのではなく、一緒に考えるくらいですね。

頑張った成果を、世の中に出せる

--実際にイノアックに入社しての印象はどうですか。

橋本そうですね…製品群を知ったとき、こんな製品もやっているんだっていうのは思いました。
品質保証として、思っていた以上に大変だっていうのはあります(笑)。でもそれがやりがいでもありますね。すぐ解決できないほうがちょっと燃えるというか。

--やりがいを感じるんですね。
イノアックは本当に多様ですよね。製品の裾野が広い。
ちなみに、入社して驚いた製品などありますか。

橋本寝具、枕もやっているんだなあと思いましたね。結構複雑な作りで。

--改めて、裾野の広さや技術力の高さを認識されたんですね。社風について感じることはありますか。

橋本上司や横の部署など、ものすごく話しやすいです。相談しやすい環境だと思います。なので、仕事や悩みを抱え込まずに済みます。
悩まずに仕事をすることができるのが良いなと思いますね。 雰囲気はすごくいいです。
働き始めのころは人も多くて緊張しましたが、馴染むのに時間はかからなかったです。

--興味がある部署、今後関わってみたい製品などありますか。

橋本技術部門には興味があります。
品質保証部門は、お客さんと品質の話を、ということなんですけど。
社内のニーズを吸い取って、それに対する製品を作るので、品質保証とはまた違ったやりがいもあるでしょうし、色々な知見が広がっていくと思うので。やれるならやってみたいですね。 テーマを持ってどう製品を作っていくか考えてみたいです。

--イノアックはどんな会社だと思いますか。

橋本身近なものを作っている会社ですね。
品質保証の立場からいうと、製造も含めて作りこんだものを世に出せるよ、と。つくりの醍醐味が経験できる会社だと思います。 頑張った成果が世に出るなと感じますね。それがやりがいにも繋がるかなと。

--確かに、開発だけではなく品質保証という壁を超えないと製品は市場に流れないですもんね。

橋本その通りです。
品質保証部は本当に責任ある部署です。そのことを忘れずにお客さんに対応しています。

企画・制作:ポスティコーポレーション

橋本 拓也

2016年7月

中途入社
高機能材料事業本部 発泡品事業部 品質保証部
現在に至る

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