【特集】手袋
宇都宮製作、「Pro+(プロプラス)」ブランド強化へ
工業用品 2017-10-24
宇都宮製作は医療・介護・食品・工業分野などにディスポ手袋をはじめとした衛生資材を展開(工業では、ゴム系チューブなどの製品も取り扱い)している。製造は中国をはじめとした、東南アジアなど多数の協力工場で行っており、自社工場を持たないファブレスメーカーとして企画・開発を行い、多彩な製品を生み出している。今年の3月には東大阪市の本社を大阪市中央区に移転。企画製品のプロトタイプやサンプルの製造、一部医療関連製品の加工等を行う製造部門を東大阪に残し、名称を「東大阪ものづくりセンター」に改称。今後、同拠点を拡大していくことでユーザーへの対応を強化していく方針だ。
同社の売上高の多くは衛生用品で、その大部分を使いきりタイプの手袋が占める。同タイプは医療・介護、食品、一般家庭用まで多岐にわたる分野で使用されており、特に家庭用では衛生意識の高まりや使用上の簡素さから需要は増加傾向が続いている。
同社の17年3月期の業績は、これら市場の追い風もあり前期比増収増益と好調。手袋以外にも「Pro+防菌ウェットワイパー」や「パラシールド」などの衛生用品も併せて展開することで業績を伸ばした。
製品面では、昨年6月に上市した医療用の塩ビ製使いきり手袋「シンガープラテMD-PF」が好調だった。同製品は箱の左側に指先、右側に袖口が来るように全枚数が収められており、袖口側の取り出し口から、指や手のひら部分に触れることなく取り出せるのが特長。画期的な箱のデザインで特許も取得しており、今期以降の販売にも期待している。
また今期は、同社ブランドの最高峰に位置する「Pro+(プロプラス)」の強化に注力する。同ブランドは同社の創業110周年(2013年)を機に立ち上げたもので、ただの「プロ」(高機能品)では終わらず、さらなる付加価値を「プラス」するという意思が込められている。同社では「立ち上げから数年、市場での浸透はまだまだ不充分」として、ラインアップの拡充を加速させていく方針だ。
本年度は「プロプラス ニトリルスーパーグリップ」や「同ニトリルスムース」などニトリルゴム製の使いきり手袋を中心に計5品種を上市している。
上記2製品は濡れた状態でも装着しやすい特殊内面加工が施されたパウダーフリー製品で、「スーパーグリップ」は指先に施された特殊加工により乾燥時に強力なグリップ力を発揮し、「スムース」はⅣ型アレルギーの一因となる加硫促進剤を使用していないことが特長となっている。
同社では今年度中にこれら5品種以外にも、さらなるPro+製品のラインアップ拡充を計画しており、11月中にも新たに数品種の上市を予定している。
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