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共生地使用で環境に優しくコスト低減や平滑な接着面を実現

大日工業、フッ素ゴム、シリコーンゴムを主体とした「加硫接着」に注力展開

工業用品 2024-09-25

 大日工業(埼玉県さいたま市、髙野慶一郎社長)は、1948年6月の設立以来、各種工業用ゴム製品およびゴム板・パッキング製品の製造販売・加工を手掛ける総合メーカー・商社として、顧客から高い評価を得ている。

 同社では創業以来60年以上、多様な製品を製造および加工し蓄積してきたノウハウを積極的に活用し、近年は特に「加硫接着」を主体とした接着製品部門に注力展開している。

 同社の加硫接着部門は、フッ素ゴムを主体に、シリコーンゴム、EPDM、CR、NBRなどの素材による共生地を使用した本格的な加硫接着方法を採用しているのが最大の特徴。特に最近では、優れた耐熱性、耐薬品性、耐油性などを有し、過酷な環境下でも使用可能として需要が増加しているフッ素ゴムの加硫接着に注力し拡販を図っている。

フッ素ゴムを使用した加硫接着の見本


 共生地による接着は、ゴム板本体と同じ材質の未加硫素材を使用することで、接着時に有害な化合物やガスの発生がなく、環境保全に貢献し現場の作業者にも優しい工法となっている。また、同一素材のゴムを使用した熱による加硫接着工程のため、接着剤や金型が不用で大幅なコスト低減を実現している。

 接着剤を全く使用しないことに加え、同一素材による接着であることから、接着面の段差がなく、平滑な接着面を実現。仕上がり完成度が非常に高く、高評価を得ている。同工法は低コストにもかかわらず、同社は厳密で高度な技術管理や工程管理、品質管理を徹底して実施しており、万全で高い品質を維持している。

 接着剤や溶剤を使用していないため、食品衛生法厚生省告示第370号に適合するなど安全性も担保されており、食品や飲料分野にも使用できる。

 同社では、主要な製造設備として各種打ち抜きプレス、加硫接着プレス、スリッター、ボール旋盤、ゴム漉き機、カッティングプロッターなど最新鋭設備を有している。

 同社は、2020年6月に「美園工場・技術開発センター」(埼玉県さいたま市)を開設した。同センターでは、最新鋭設備を駆使し、「加硫接着」など主力製品の一層の技術開発や、品質向上のための研究開発に注力している。

 同社はこれら設備を積極的に駆使して「加硫接着製品」を製作し、製品的には厚み0.5~15ミリ程度から、ゴム筒状の場合は長さ10ミリの小サイズから国内最大級の長尺物まで製作できる。

 また、形状はゴム筒状のほか、角を直角に成形した窓枠型パッキン、フランジ用丸平パッキンなど顧客の要望に的確に合致した形状の製品を、1個からでも生産可能な柔軟な生産体制を構築し、短納期で顧客に届け好評を得ている。

 なお、量産前の試作にも対応しており、品質面などを事前に確認できると好評で、顧客満足度の高い製品が生産できる。

 同社では、加硫接着部門の一層の受注拡大を目指して加硫接着のみの個別ホームページサイトを開設するなど、積極的なPRを図っている。これら拡販策や「加硫接着」の高い完成度、大幅なコスト削減効果などが幅広い分野から評価を得ており、受注が拡大している。

 問い合わせは大日工業(〒330-0072 埼玉県さいたま市浦和区領家7-20-3、電話番号=048・831・2733)まで。

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