PAGE TOP

新会長に清水氏(TOYO TIRE社長&CEO)が就任

日本ゴム工業会第26回幹事会を開催

その他 2022-05-30

 日本ゴム工業会は5月27日、東京都千代田区大手町の経団連会館で「第26回幹事会」を開催した。当日は幹事会の前に「2022年度第2回理事会」が行われ、任期満了に伴い会長・副会長・常勤役員を選任した。

 池田育嗣会長(住友ゴム工業会長)の後任として新会長には清水隆史氏(TOYO TIRE社長&CEO)が就任。また、新副会長には吉井満隆前副会長(バンドー化学会長)ならびに清水隆史前副会長の後任として、西井英正氏(弘進ゴム社長)、山石昌孝氏(横浜ゴム社長)が就任し、東正浩副会長(ブリヂストン取締役 代表執行役Joint Global COO)は再任された。

清水社長「『原理原則』モットーに役立つ組織を」

 ■清水新会長のあいさつ
 2018年から4年間、当会の副会長を務めたが、今回、新たに会長に選任され、身の引き締まる思いだ。私は「原理原則」に従って考え、行動するということをモットーにしている。世界的に先行きが不透明で、これまでの常識が一夜にして非常識になる時代だからこそ、私自身、物事の本質を見極めるために常に「原理原則」に立ち返って判断するように心掛けている。

 2021年度の当会の活動は、コロナ禍により引き続き大幅な制限を受けたが、2021年12月に外国人技能実習制度の試験機関としての初級評価試験をスタートさせることができた。また、地球温暖化対策では「2050年カーボンニュートラル」への取り組みとして、長期ビジョンを策定し、2030年目標をマイルストーンと位置付け見直しを行った。この2点は2021年度にスタートを切ったもので、2022年度以降は本格的に取り組んでいくことになる。

あいさつする清水会長


 我が国をめぐる環境は、中長期的には、少子高齢化やグローバル化の進展に伴い、国内生産は減少傾向にあるなかで、人手不足の問題が発生している。また、主要ユーザーである自動車産業がCASEやMaaSといったキーワードに象徴されるような大きな転換点を迎えている。

 短期的には、世界的にコロナ禍からの経済回復が進むなかで、半導体不足、物流・サプライチェーンの混乱がゴム製品製造業にも大きな影響を及ぼしている。さらにロシアによるウクライナ侵攻によって、さらなる原材料価格高騰・入手困難などが生じている。業界を取り巻く環境はこうした強い逆風のなかにあるが、当会ではこうした状況を踏まえつつ、会員企業にとってどのような活動をすれば役に立つことができるのかを第一に考えて、工夫を続けていく。

 さらに現代は、SDGsなど、ステークホルダーに留意した活動も求められる時代となっている。これまで池田前会長をはじめ、諸先輩の手によって基礎は築かれているが、さらなる発展のため、会員企業とともに活動を進めていきたい。

 ■池田前会長のあいさつ

 2018年の就任以来、2期・4年間、会長を務めさせてもらった。会長就任時には、当会の運営について分からないことばかりだったが、どのようにすれば会員企業に役立つ組織になることができるかを自分なりの考え方とスタンスで、一歩一歩、取り組みを進めてきた。

 4年間の会長職のうち、前半の2年間は思うように動くことができたが、後半の2年間はコロナ禍での運営となり、当会の活動も大きな制約を受けた。そうしたなかでも、できるだけ対面で実施したいという思いから、工夫を重ねてきたが、やむを得ず書面・Webのみで会議を開催したこともあった。

あいさつする池田前会長


 ただその一方で、書面審議やWeb審議などの導入により、これまでのムダを省くことができたり、時間的・距離的な制約のある会員企業も参加することが可能となるなど、新たな気づきもあった。これらは今後の当会の運営における財産になると考えている。

 任期中に最も記憶に残っているのが、外国人技能実習制度の導入だ。ゴム製品製造職種4作業が省令追加され、当会が試験実施機関になり、2021年12月に試験がスタートした。当初は実施が厳しいという意見もあったが、担当委員の弛まない努力と委員会社や会員企業から協力をもらい、なんとか実現することができた。

 現代は、中長期的、短期的にも課題が山積している激動の時代だ。我々の努力だけではどうすることもできない事象もあるが、当会の会員企業はモノづくりという根をしっかりはりながらCASEなどのトレンドを的確につかみ、技術を磨いて、自助努力をするということを基本としている。ゴムという素材は工夫次第でまだまだ伸びしろがある。ISO/TC45委員会の活動などを通じて日本の技術優位性をアピールできると考えており、必ずや激動の時代を乗り切り、さらなる発展ができると信じている。

 ■新体制
 ◇会長(代表理事)=清水隆史(TOYO TIRE社長兼CEO)[新任]◇副会長=西井英正(弘進ゴム社長)[同]、東正浩(ブリヂストン取締役代表執行役 Joint Global COO)[再任]、山石昌孝(横浜ゴム社長)[新任]◇専務理事(業務執行理事)=岡本浩一(事務局)[再任]

西井氏に記念品を贈呈-藍綬褒章受章で

 幹事会終了後には、令和3年秋の受章において、藍綬褒章を受章した弘進ゴムの西井英正社長に清水会長から記念品が贈呈された。西井氏は、社業ならびに日本ゴム履物協会での活動、自然災害に伴う被災地への支援活動など、多数の功績により藍綬褒章を受章した。

記念品を贈呈された西井弘進ゴム社長

人気連載

  • マーケット
  • ゴム業界の常識
  • 海から考えるカーボンニュートラル
  • つたえること・つたわるもの
  • ベルギー
  • 気になったので聞いてみた
  • とある市場の天然ゴム先物